長寿の秘訣を探る

ここでは、長寿の秘訣を探る に関する情報を紹介しています。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
秦の始皇帝が不老長寿の霊薬を探し求めたという伝説を持ち出すまでもなく、不老長寿は人類の歴史が始まって以来の夢だ。そして最近、老化のなぞに迫る新しい研究成果が次々と上がっている。不老長寿が果たして可能なのか、そしてそれがほんとうに人類にとって福音なのかどうかの議論は別にしても、だれもが少しでも長く健康な老後を送りたいと願っている。健康で豊かな老後を送るための生活習慣、食生活、心のあり方を探るとともに、最近の老化研究の動向などを紹介しよう。

世界一の日本人の平均寿命

 生物の寿命といっても、その定義は意外と難しい。屋久島には樹齢何千年もの杉の大木が茂るなど、環境がよければいくらでも長生きできる樹木に寿命はないとされる。また、細菌などのように分裂して増殖する生物は、分裂した時点で生まれ変わるともいえ、これも寿命はない。一方、われわれ哺乳動物は、どんなに生活環境を整えても、ある一定の年月以上は生きられない。ネズミは2、3年、犬は15年くらいで、人間はだいたい120年といわれる。
 紀元前の人間の平均寿命は15歳くらいだったといわれる。明治33年の日本人の男の平均寿命が38歳で、女が39歳だったと聞いて、その短さに驚く人も多いだろう。それが戦後瞬く間に長寿国の仲間入りを果たし、そして世界一となった。平成10年の日本人の平均寿命(ゼロ歳の平均余命)は、男で77.16歳で、女が84.01歳。日本人の平均寿命がこれだけ延びた理由は、国民の栄養状態がよくなったことと、伝染病対策や地域の健康診断など社会の保健・衛生状態がよくなったこと、そして医療が進歩したことだ。しかし豊かになったことで逆に現在、過食や運動不足などで多くの人が生活習慣病を抱え、この世界一の長寿命国の地位を危うくしているというのは、なんとも皮肉である。

複雑な老化のメカニズム

 寿命が近づくにつれて人間は、血管が硬くなり(動脈硬化)、骨がもろくなり(骨粗しょう症)、眼の水晶体が濁り(白内障)、頭の働きがにぶくなる(老人性痴ほう)。これが老化である。どうして生体に老化が起きるのかという問題は、今でも生物学の最大のなぞの1つである。それでも最近、少しずつその手がかりがつかめてきている。
 老化をコントロールしている物質として、最近注目を集めているのがテロメアだ。人の細胞には48種類の染色体があるが、その染色体それぞれの末端にある組織がテロメアで、これが生命の設計図であるDNA分子の安定化をはかっている。細胞が分裂するごとにこのテロメアが短くなり、ある程度短くなると細胞は分裂しなくなり、そして死ぬ。あたかもテロメアという死のタイマーが、寿命をきざむように短くなっていくのだ。しかし、短くなる一方で、短くなったテロメアを修復する酵素もある。これがテロメラーゼだ。しかし生殖細胞とがん細胞ではテロメラーゼが働いているが、普通の体細胞ではテロメラーゼは働いていない。からだは老化するが、生殖細胞とがん細胞は老化しないということだ。そこで最近、この酵素を活性化させて長寿を実現できないかと世界中で研究が進められている。平成10年1月には、米国の研究者が通常70回しか分裂しないヒトの皮膚の細胞にテロメラーゼを与えたところ、寿命が延びて90回以上分裂したと発表し、話題になった。
 強い酸化作用があるフリーラジカルや活性酸素が組織や遺伝子に障害を与え、その障害が積み重なって老化が進むという考えも注目を集めている。人間が生きていくために欠かせない酸素が、実は老化の原因だというのだ。事実、ネズミよりイヌ、イヌよりヒトといった具合に、体重あたりの酸素消費量が多い生物ほど寿命が短い。活性酸素は脂質を過酸化脂質に変えて動脈硬化を引き起こすし、紫外線は皮膚がんを引き起こす。もちろん人間の体内には、フリーラジカルや活性酸素を無毒化する抗酸化物質があるし、食品の中のビタミンCやEなどにも抗酸化作用がある。このため、これらのビタミンを含む緑黄色野菜を多くとることが長生きの秘訣とされる。
 そのほかにも老化のメカニズムを説明する理論は山ほどある。いずれにせよ哺乳動物の老化のメカニズムはたいへん複雑で、現実にはそれらの多くのメカニズムが複雑にからまって老化が起きているようだ。


進む長寿研究

 11年7月、米国カリフォルニア大学のマイケル・ローズ博士らが、ショウジョウバエを使って、寿命に関係する遺伝子を活性化させることで、通常のハエの寿命の3倍に相当する130日間生かすことに成功したと発表した。この遺伝子は細胞の損傷を修復する能力があり、老化防止の治療薬の開発につながるのではないかと注目されている。そしてその二か月後の9月、米国カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが、神経成長因子を作る遺伝子を組み込んだ皮膚の細胞をアカゲザルの脳に移植したところ、老化で萎縮していた脳細胞が若返ったという研究成果を発表した。記憶力など脳の機能の回復についてはまだ明らかにされていないが、アルツハイマー病などの治療に応用できるのではないか、ということで同研究チームはさらに臨床試験を計画しているという。
 このように老化研究に熱心な米国は、若さに大きな価値を置く文化の国でもある。そのため、米国では若さを取り戻そうとホルモン療法が注目を集めている。そこで使われているのが、エストロゲン(卵胞ホルモン)やHGH(ヒト成長ホルモン)、メラトニン、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)などだ。HGHは成長期には欠かせないホルモンで、骨粗しょう症の時には骨の密度を増し、心肺機能を回復させたり、免疫機能を回復させたりする。メラトニンは睡眠の調節や精神的な安定、免疫系の強化などに関与している。DHEAは性的能力や記憶力を改善、若さを保つといわれている。

長生きはウオーキングから

  平成11年10月、東京の東条会館で日本人類学会大会のサテライトシンポジウム「豊かな老後:歩くこと動くことから」が開かれた。450万年も昔、人類の祖先の猿人が直立2本歩行を始め、手を自由にあやつれるようになり、脳が急速な進化を遂げた。会場では、毎日歩くことが人間にとっていかに大切であるか、さまざまな立場から繰り返し強調された。東京都立大学からは、からだを動かさないと骨がもろくなるというラットの実験結果が紹介され、東京都老人総合研究所からは、ウオーキングが長寿につながるという研究発表があった。ウオーキングは心肺機能を高め、肥満を防止し、高脂血症などの生活習慣病を予防するだけでなく、運動機能を高めて転倒で骨折して寝たきりになるのを防止するのだ。

バランスのよい食事と禁煙

 平成10年10月、(財)長寿科学振興財団があいち健康の森で「国際長寿科学シンポジウム」を開催した。そのなかで、東京都老人医療センターから、長寿のための食事ということで動脈硬化予防などの観点から、次のような7つのポイントが提案された。1、脂肪を取り過ぎない。動物性脂肪より植物性の油を多めに。2、塩分を控える。3、緑黄色野菜を十分に取る。4、豆類や魚介類などのたんぱく質も十分に取る。5、多様な食品でバランスのとれた食事にする。主食、主菜、副菜をそろえて。6、お茶を飲む。7、心の触れあう楽しい食生活をこころがける。どれもこれもどこかで聞いたような指摘ばかりかもしれないが、7番目の「楽しい食事」はけっこう忘れがちだが、大切なポイントだろう。
 さらに同シンポジウムでは、鹿児島大学医学部の秋葉澄伯教授が喫煙と寿命の関係について講演。たばこが肺がん、喉頭がんなど各種がんや心筋梗塞などの循環器疾患を引き起こすとしたうえで、「男女の平均寿命の差は6・5年あるが、もし喫煙の影響を取り除くことができれば、2年くらい長くなり、男女差は4年くらいに縮まる」と指摘した。

沖縄に学ぶ

 日本は世界一の長寿国である。その日本でも沖縄県が長寿県であることは世界的に有名だ。多くの研究者が長寿の理由として指摘する特徴がいくつかある。食生活では、塩分が少なく、ニガウリやヘチマなどの緑黄色野菜をよく食べる、沖縄豆腐、豚肉、海藻など豊かなたんぱく質とミネラルを摂取しているなどだ。これは、先の東京都老人医療センターの7つのポイントと相通じる。
 もちろん、沖縄の温暖な気候とあまりものにこだわらない気質も、大きな要因である。ものにこだわらないということは、別の言い方をすれば精神的なストレスを感じないということである。ストレスは体内に活性酸素を増やすので、老化を促進する原因となる。また、東京のお年寄りに比べてよく散歩をしている、睡眠障害を訴える人が少ないという研究データもある。さらに、沖縄にはお年寄りを大切にすると同時に、お年寄りが生き甲斐を持って活躍できる風土、文化があるということも、長寿の理由として忘れてはならない大切なことである。
 琉球大学が100歳以上のお年寄りに長生きの秘訣を聞いた調査結果がある。そこでは確かに、「何でも食べる」「気楽に生きる」「よく働く」がトップを占めていた。しかし、回答の8割が「不明」だったことは何とも示唆的である。長寿者は日ごろ、「健康のためにあれを食べよう」「運動をしよう」などと考えてはいないのである。いくら健康にいいと言われても、嫌いな食物を無理やり食べたり、いやいや運動していては逆効果なのだ。

最後に、中高年のために

 われわれが健康で楽しい長寿を送るために、中高年は今から何に注意すればよいのか。食生活に関しては、カロリーを取り過ぎないこと、抗酸化物質を多く含む緑黄色野菜やお茶を取ることなどに加えて、東京都老人総合研究所の柴田博副所長は「日本人は1日平均、肉を80グラム、魚を97グラムと、ほぼ1対1の割合で食べている。しかし、歳を取ると肉を食べなくなる傾向があるが、肉をしっかり食べることが大切」と指摘する。その理由として、肉は食品としてアミノ酸のバランスがよいこと、吸収しやすい形で鉄分が多いこと、酸化されにくい一価の不飽和脂肪酸が多いこと、さらに肉を食べないとぼけやすい、がんになりやすいことなどを挙げている。
 言うまでもなく、毎日の運動も大切だ。柴田副所長は「布団の上げ下ろしや雑巾掛けなど、日常の生活の中でからだを動かすことが大切です。永続性があるし、あらゆる筋肉を使うことになるからです。さらに、肥満などすでに生活習慣病が気になる人は、ウオーキングなどうっすら汗をかく運動を1日20分くらいした方がいい」という。「でも月に1回のゴルフがまるで無駄というのではありません。ゴルフをするとなれば、日ごろ練習をしたり、夜遊びを控えたりとその人の日常生活が変わる。生活のリズムを変えるという意味では有効です」という。
 そして「人のために何か社会的な活動をすることも大切です。自分のためだけの趣味に打ち込むより、ボランティアや相互扶助など人のために活動している人の方が、免疫力もQOL(生活の質)も高く、そして長寿になるのです」と、中高年にアドバイスをしている。

「健やかに老いる」ために
~百歳長寿者との面接調査で分かったこと~

 毎年9月に厚生省が国内の満100歳以上の長寿者の名簿を発表している。(財)健康・体力づくり事業財団はこの名簿をもとに長寿者と面接調査を行い、「健やかに老いる」ための生活習慣、食生活、福祉や介護のあり方などを探っている。この調査研究を担当している同財団の上村美智留研究員と岩渕久美研究員の2人に、これまでの調査で分かったことや感じたことなどを聞いた。
 長寿者の調査に関しては、昭和56年度に「長寿者保健栄養調査」という名前で全国の対象者1,018人中1,009人について面接を実施、平成5年の「長寿者保健福祉調査」では、3,070人中2,851人の面接を行った。現在進めている11年度の調査では、対象者が11,346人もおり、うち半分の面接調査を計画している。
 2人に、これまでの調査を簡単に紹介してもらった。平成5年度の調査結果では、長寿者の父親は70歳代で亡くなっているケースが一番多く、母親は80歳代が一番多かった。彼らが江戸時代末期から明治初期にかけての生まれで、当時の平均寿命が20歳くらいだったことを考えると、長寿者の両親もまた長寿なのだ。職業別では男女とも農業・林業が多く、全体で42%。もともとたばこを吸わない人は80%で、もともと酒を飲まない人も73%。運動に関しては、70~80歳のころ散歩や畑仕事、体操など毎日していた人が43%で、中でも散歩が一番多かった。中年以降の食事で心がけていることは、毎日3回規則正しく食事をする、腹八分、緑黄色野菜や魚・肉・卵などを食べる、という回答が目立った。「長寿の秘訣は何か」との質問には、男女とも物事にこだわらないがトップで15%、腹八分や規則正しい生活、マイペースなどが続いた。
 多くの長寿者に面接をすると、アンケート結果からは分からないことが見えてくる。岩渕さんは「自分のことは自分でやる自立心の旺盛な人、好奇心の強い人が多い。また、異性に関心を持っている人も多かったですね」と印象を語る。上村さんも「加齢とともに運動能力は衰えますが、衰えたら衰えたなりにできることに挑戦する力がある人が多いですね」という。
健康のブログ
良心的スポーツ店
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
ファッション販売能力検定試験
ファッション販売能力検定試験とは、ファッションビジネス業界で店舗での販売を担当する人材の育成を目的とした検定試験 http://earthling.wglorenzetti.com/
2008/08/28(木) 19:14 | URL | #-[ 編集]
船舶衛生管理者
船舶衛生管理者とは、船舶に乗り込み、船員の健康管理や船内の衛生管理などを行う専門家を認定する資格 http://circle.ellingtonrecords.com/
2008/10/30(木) 01:12 | URL | #-[ 編集]
医療情報
とても参考になりました。また寄らせていただきます。
2009/01/30(金) 17:06 | URL | 喉頭がんの末期 #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://alphapac2.blog103.fc2.com/tb.php/66-a59c2b94
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。