100歳長寿者に聞く健康の秘けつ(1)

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1.日本の百寿者の推移

 わが国の100歳以上の高齢者(以下、百寿者という)は平成13年で15,000人を超えた。9月11日に発表された厚生労働省老健局の作成した「全国高齢者名簿」によると、9月30日で百歳に達する人の数を9月1日付けで集計すると15,475人であり、この1年間で2,439人増加したという。最高齢は本郷かまとさん114歳で、男性は中願寺雄吉さん、112歳である。
 百寿者数の推移を図1に示す。昭和38年に老人福祉法ができてから、毎年国による全国集計が公表されるようになり、当時153人だったのが増加を続け、平成10年には1万人を突破し、さらに高齢社会の進展にともない今年早くも15,000人を超えた。人口1万人あたり一人以上の割合となり、多くの市町村に百寿者がいることになり、必ずしも珍しくはなくなったといえよう。

 百寿者の全国的な統計が信頼できるかどうかの前提の1つに戸籍の問題がある。わが国は明治維新になって戸籍制度を取り入れ、特に明治16(1883)年の徴兵令にともない、厳しく正確な戸籍を整理したため、それ以降は誤りが非常に少なくなっているといわれる。すなわち、昭和58(1983)年以降の百寿者統計は信頼度が高くなっている。


2.わが国の百寿者調査

 これまでにわが国で実施された全国規模の百寿者調査は4回である。最初は1973年の東京都老人医学研究所のもの、次が1975年の老人福祉開発センターのもの、その後が1980年と1992年に健康・体力づくり事業財団が実施したものである。それぞれ報告書や学術論文が出されているので、その内容の紹介は省略するが、ひとことで言うと、いずれも長く生きることの要因、言い換えると生物学的側面を中心とした調査分析がなされている。
 百寿者調査には厳密にいうといくつかの限界があることに留意する必要がある。例えば比較すべき対照群(コントロール)を置くことはできない。また、過去の記憶にたよる調査では回答があいまいになり、正確性に疑問が生じる場合があるなどである。それでも百寿者からの情報には示唆に富むものが多いので統計的にできるだけ誤りを少なくする工夫をしたうえ、分析がなされている。


3.今回調査の特徴

 平成13年8月に発表された「2000年簡易生命表」によると、わが国の平均寿命は女性84.62歳、男性77.64歳でいずれも世界最高を更新した。おおまかに言うと女性の半分は85歳、4分の1は90歳、男性では半分近くが80歳、4分の1が85歳くらいまでは生きる高齢社会になっている。しかもその8割以上は“元気”な高齢者といわれている。
 しかしながら急速に増加している90歳以上から百寿者の人達が、どんな気持ちで、どんな生活をしているのか。言い換えるとその世代の生活の質(QOL)に関する大規模な調査はわが国では、(筆者らが調べ得た範囲では世界的にも)なされていない。そこで、今回の調査ではこれまでの項目との比較も考慮しつつ心理・社会的側面を重視した新しい視点からの調査を行うことにした。すなわち、QOLに関する質問と最近の老年学で注目されているプロダクティビティ(社会貢献と仮に訳されている)に関する質問項目の多い調査を実施した。
 なお、調査方法はコラムに示すように、事前にインフォームド・コンセントが得られた方々に訪問面接調査により実施した。
 実際に調査ができたのは、男性566名、女性1,341名で合計1,907人である。


4.調査結果

(1)百寿者の食生活
1)食事回数について
 食事を3食きちんと食べる人ほど多くの食品をとっていた。ただし果物では有意差は無かった。「回数不定」では全体的に食品の摂取は低い傾向にあるが、とくにビタミン・ミネラル系食品の摂取頻度が有意に低かった。なお、回数不定では日常生活動作(ADL)も低かった。つまり、ADLが低いと食事回数もさまざまとなることがうかがわれた。

2)食欲について
 食事を「自分から進んで食べる」者ほど食品摂取頻度が全体的に高かった。ビタミン・ミネラル系食品は「食事に関心ない」者で有意に低かった。また、好きな食べ物についても進んで食べる者で多く回答していた。なお、ADLは「自分から進んで食べる」人ほど高く、居住環境別では、自分から進んで食べる者は家族と同居している者に多く、逆に関心ない者は施設または入院中の者に多かった。自分から進んで食べる者に認められた特徴としては、定時に起きる、よく眠れる、運動習慣がある、よく外出する、生きがいを持っている者がいずれも多いことがあげられた。

3)食事形態について
 食事形態が流動食では、全体的に食品の摂取頻度が低かった。家族と同じものを食べている者と軟らかくした食事の者とでは、家族と同じものを食べている者の方がビタミン・ミネラル系食品を多くとっており、一方で糖質系およびたんぱく質系食品は軟らかくした食事の者で多くとっていた。全体でみると軟らかくした食事の者で各種の食品の摂取頻度が高い傾向が認められた。なお、ADLは、家族と同じ食事、軟らかくした食事、流動食の順に低くなっていった。


4)食品群別摂取頻度
 各食品群の週あたり摂取頻度を4段階で質問した。ご飯、パン、めんなどの主食は男女とも約9割近くが「毎食」食べていた。男女間での有意差は認められなかった。
 いも類を「ほとんどとらない」者は、一割弱であり、最低でも週に1回以上は食べていることが示された。主菜としての肉類と魚介類の摂取頻度をみると、「ほとんど毎日食べる」あるいは、「2日に1回」の者の割合は、肉類より魚介類の方が多かったことから、魚介類を主とした料理を好む傾向がうかがわれる。牛乳・乳製品を「ほとんど毎日」摂取する者は65%以上、卵では約半数を占めていた。豆腐類、海草類ではほぼ同様の分布を示し、最低でも週に1回以上は食べていることが示された。野菜類を「ほとんど毎日食べる」者は男女とも約9割を占め、主食とともに最も積極的に摂取している食品であることが示された。果実は男女とも約6割が「ほとんど毎日」摂取しており、「ほとんどとらない」者は3%と非常に少ないことから、好んで摂取されている食品であることが明らかにされた。

5)コメント
 百寿者の食生活については、これまでの調査でも詳細な検討がなされている。今回の調査はそれらとほぼ同様の結果であった。百寿者はこれまでみてきたように大部分の方々がバランスのよい食事を規則正しくとっている。
 ときに、「若いころ粗食に耐えていた人が長生きできるのではないか」という意見を聞くことがある。しかし、これは誤解である。回想法(昔の食事を思い出してもらう質問法)での答えなどの分析では正確性に限界はあるにしてもバランスのよい食事をしていた人が多い。とくにたんぱく質では牛乳・乳製品の摂取が多く魚介類や肉類等も食べられている。
 バランスのよい片寄らない食生活が健康保持に重要であり、元気な長寿につながると結論できる。

(2)百寿者の運動習慣
 運動習慣がある者の割合は男性54.4%、女性40.2%であり、その内訳は表1に示すとおりである。男女とも散歩が最も多く、その頻度は、週に回実施が男性56.5%、女性48.5%であった。次いで多かったのは体操であり、週に5~7回実施している男性は62.5%、女性は61.8%であった。散歩や体操を習慣としている者のうち、半数以上がそれらを高頻度で実施していることが示された。日常活動としての庭仕事や家事労働を運動として回答している者もみられた。また、運動習慣を有する者では、食事、排せつ、行動、入浴、着衣などのすべてのADL項目と意志表示、話の了解などの認知機能が運動習慣のない者に比べて有意に高かった。そこで、ほぼ自立した生活を送っている『ADL自立群』100名に限り、運動習慣の有無を調べてみると、男性では88.9%、女性では91.3%が習慣を有していた。さらに、運動習慣の有無別にライフスタイルの状況を比較したところ、男女ともに運動習慣を有する者では習慣のない者に比べて、食事を自分から進んで食べる者、よく眠れる者、定時に起床する者、健康と感じている者、毎日気分よく過ごせる者、生きがいをもつ者、および社会活動をしている者の割合がいずれも有意に高かった。百寿者にとって日常の身体活動は、生活機能の維持ばかりでなく健康感や食欲にまでプラスの効果をもたらすことが示された。


(3)百寿者の睡眠
 百寿者の睡眠について今回ほどまとまった数の調査は世界で初めてだろうと専門家は指摘している。睡眠状況としては「夜よく眠れる」者は男女とも85%を超えている。
 睡眠時間の平均は、男性8.9±2.2時間、女性9.1±2.1時間であり、男女間での有意差は認められなかった。一般的に高齢になると睡眠時間が短くなるといわれるが、百寿者はよく眠れて睡眠時間が比較的長いことが明らかとなった。
 起床の様子については、「いつも定時に起床する」者は、男性の方が74.8%と、女性の61.2%より多かったのに比べ、「自分からは起床しない」者は、男性7.2%に対し、女性では16.3%と男性の2倍以上であった。
 長寿のためには、規則正しい睡眠~覚醒のリズムを維持し、十分な休養をとることがすすめられる。


(4)百寿者の喫煙と飲酒

1) 喫煙について
 喫煙習慣については、「吸わない」が男性60.6%、女性86.2%と多かった。一方、「吸う」のは男性5.3%、女性0.7%とわずかであり、一日の喫煙本数の平均は、男性16.7±12.9本、女性12.0±12.3本(平均±標準偏差)であった。「以前吸っていた」は、男性29.2%、女性5.6%であった。現在喫煙習慣のある者の割合を昭和56年度調査および平成5年度調査と比較すると、喫煙者の割合は男女とも着実に減少していることが示された。
 百寿者の喫煙者の割合が他の年代より著しく低くなっていることや、一日20本以上のスモーカーが少ないことは、喫煙の健康と長寿への害を示す1つの証拠ともなると理解できよう。


2) 飲酒について
 飲酒習慣については、「飲む」男性21.2%、女性5.4%、「以前飲んでいた」男性30.0%、女性13.8%であった。現在飲酒習慣のある者の割合を前の調査と比較すると、男性では昭和56六年度26.5%、平成5年度23.7%とほとんど変わらないのに対し、女性では昭和56年度18.4%、平成5年度8.7%と、時代とともに飲酒習慣をもつ者の割合は減少していることが示された。今回の調査では、飲酒習慣をもつ者の特徴として、家族と同居している者が多く、ADLは高く、睡眠の状態もよい者が多いことが示された。さらに、飲酒習慣のある者では健康と感じている者、毎日気分よく過ごしている者、夢や希望をもつ者、周りとのつきあいに満足している者が多く、健康面、精神面ともに良好な状態にあることも明らかにされた。
 アルコールの種類は、日本酒52.3%、ビール27.5%で以下焼酎、ワイン、ウィスキーの順であった。しかしながら飲む量は「日本酒にして1合未満」が92.6%と大部分を占め、ごく少量の酒はからだによいという説と一致した。なお、一般に「少量の酒は百薬の長」といわれ、国際的にも、わが国でもほぼ一致して、日本酒に換算して2日で1合程度までのアルコールならまったく飲まない人よりも半分くらい死亡率が低いという研究結果が報告されている。このことは酒量と死亡率との関係ではJカーブを描くともいわれるものである。

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オフィス研究所
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2008/11/29(土) 08:21 | URL | #-[ 編集]
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